あ死たはくるのか

スッとラクに思いつく言葉なんかいつも役に立たなくて、その次くらいによぎった言葉になにか重大な意味があるような気がするけど、やっぱりすぐに忘れてしまって。落着かない。


子どもの頃、友だちの自転車が歯医者の外にとめてあって、おばさんが待合い室にいるのもガラスのドアから見えたので、ずっと外で診察が終わるのを待っていたことがある。ズッと友だちを待っていた。

ここで中に入って「待っていていいですか」と受付嬢のおばさんに聞いてみる、なんてことができないんだな。今も。

受付嬢のおばさんに話しかけるくらいなら黙って外で待っていたほうがいいような気がする。受付嬢というのも店員だから、どうもニガテで、近寄れない。今も。

あまり覚えていないけど、結局友だちの診察が終わるより先に門限がきてしまって、会えなかったような気がする。でも何時間でも待っていられたと思う。時間がこなければ。

不毛でも仕方ない。そうするしかないんだな。今でもそういう人間だと思うたぶん